January 28, 2011

夢へとつづく、花のみち

 『DREAM TRAIL−宝塚伝説−』、観てきました。

 いやあ…泣いた。
 泣いて泣いて泣いた。

 もともとよく泣くほうではあると思うのですが、こんなに涙も鼻水も止まらない勢いで嗚咽してしまうのは本当に久しぶりで、ハンカチだけでは足りなくてティッシュも持ってくるべきだった…!と深く後悔しました(きたないなー)
 ほんとうに、観てよかったです。

 ****

 いちばん泣かされたのはプロローグ。
 汽車のセットが後方に配された駅の情景に、旅支度をしたスターさんたち(みんな「古きよきヨーロッパ」という感じの貴婦人のドレスをまとっているのがすごく素敵!!)が次々に現れるだけでもとにかく豪華絢爛で圧巻なのですが
 そのスターさんたちと、現役スターである涼さんが出会う場面が、本当にもうオギーならではというか…。


 タカラヅカのもっとも残酷なところ、そしてそれゆえにもっとも美しく魅力的なところは「ほぼすべての生徒が必ず退団する」「退団したら決して戻れない」ことだと思っています。
 その意味で退団はひとつの「死」を意味するのだと思う。その人が退団後何をするにしても、「タカラジェンヌ」という存在はいちど死ぬのだと思う。


 舞台に配された汽車には、「いちど死んだ人たち」が乗っていました。優雅で奇妙で美しい人たち。
 プロローグの歌詞にも「銀河鉄道」という言葉があったけれど、あれはまさしく『銀河鉄道の夜』の世界なのだと思います。DREAM TRAIL=夢の道、という名の銀河鉄道。
 「いちど死んだ人たち」を乗せ、この世ならぬ場所へとつづく鉄道。

 その人たちの世界が、「まだ死んでいない人」=涼さんの世界と交錯する瞬間の、あの非現実感ときたら。
 「あなたは誰?」「年齢不詳」「国籍不詳」「言葉はどうやら通じるようだけど…」「そもそもあなたは男?女?」
 「でも、どこかで会ったような気がする」

 涼さんがまた、完璧な「ザ・タカラジェンヌ」のいでたちなのです。金髪リーゼントの作り方から燕尾服の着こなしに至るまで、お手本のように美しい男役姿。お化粧も、ひとりだけバッチリつけまつげのタカラヅカ仕様。
 その壮絶な違和感と、途方もないなつかしさ。

 私がいままでに観た涼さんの役でいちばん好きなのが『イーハトーヴ夢』の青年役だから、というのも多分にあるのですが
 あのときは銀河鉄道に乗って「神様のところ」へ行こうとしていた涼さんが、いまジョバンニの役割でここにいる…と思ったらなぜだか滝のように涙が流れてきて、意味わかんないくらい泣けてしまった。
 『銀河鉄道の夜』でカムパネルラと一緒にどこまでも行こうとしたジョバンニは、結局のところ現実世界に戻ってきて、そして生きていく。
 タカラヅカへの愛をいつでも惜しみなく表明してくれる涼さんも、DREAM TRAILの旅を終えたらちゃんとこちらに帰ってきて、これからもまた私たちにタカラヅカの夢を見せつづけてくれるだろう。
 そんなふうに信じられたのでした。

 そして
 かつておなじ星組にいた涼さんに切符を手渡すかよこさんは、カムパネルラそのものに見えて。
 どちらの次元にも属していないような、でもどちらとも親しいような、あの不思議な透明感とどこまでも優しいまなざし。
 かよこさんしか持ちえない独特のオーラが、そのまんまカムパネルラでした。衣装は車掌さんだったけど。というか、私が『銀河鉄道の夜』および『イーハトーヴ夢』が好きだからこういうイメージを膨らませているだけで、演出の意図はもしかしたらぜんぜん違うのかもしれないけど。

 でも、とにかく、美しかったのです。

 「あの世界」と「この世界」が出会う、刹那の瞬間が。時空が歪むような、とてつもない非現実感が。

 ****

 たとえば『DANCIN' CRAZY』にしろ『百年への道』にしろ、OGの方たちが集結する舞台やイベントというのは私にとって「おなじルーツを持つ人たちの『いま』」をしみじみと味わい楽しむ場なのですが、
 しょっぱなからこの非現実的すぎる瞬間を見せつけられたことで、『DREAM TRAIL』の世界は単なる「いま」ではなくなってしまいました。
 なんていうか…もうひとつの未来、のような。

 プロローグのあたりで「100周年」という言葉がことさらに使われるせいかもしれない。
 あの舞台で皆が歌う「100周年」は、もちろん現実の宝塚がもうすぐ迎えようとしている100周年のことなのだろうけれど
 私にはその「100周年」が、なぜだか絵空事のように聞こえました。
 たとえば『マラケシュ・紅の墓標』の「パリ」のような。『アルバトロス、南へ』の「南」のような。
 夢みながらも決して実現されることのなかった何か。実現しないからこそ憧れてやまない何か。

 もちろん、歌っている人たちがすでにタカラヅカにはいない人たちだから、というのも一因だと思う。
 でも
 ここからは本当に私の穿ちすぎというか、ほとんど妄想の域なのですが…この舞台で歌われている「100周年」は、DREAM TRAILで繰り広げられる「タカラヅカ」は、もしかしたらオギーのイーハトーヴなんじゃないかと感じました。現実には訪れないであろう、もうひとつの100周年。そして(私自身が現実の、いまの宝塚を心から愛していることを自覚した上であえて書きますが)、現在の宝塚歌劇団がこのイーハトーヴになりえないからこそオギーは宝塚を去ったのだし、そうであるかぎり彼が宝塚に戻ってくることもないのだろう、と。

 もちろん真相は知らないです。
 けれど、荻田浩一という演出家がかつてタカラヅカに見たであろうイーハトーヴの夢を、もしもいまDREAM TRAILという形でしか実現させられないのだとしたら
 それはなんと悲しいことだろうか…と思いました。
 涙が止まりませんでした。

 DREAM TRAILを観れば、オギーがいまでも「タカラヅカ」を愛していることがよくわかる。
 だから悲しかった。
 本当に悲しかった。
 だって私もタカラヅカ大好きなんだもの。


 …あー、書いてたらまた悲しくなって涙がでてきた(バカ)


 実際にオギーが何を思ってこの舞台を創ったのか、プログラムのコメントとかも未見なのでまったく分からないのですが
 私にはそう見えた、という話。

 でも、あの舞台で涼さんが美しく「タカラヅカ」そのものの姿でいてくれたことが本当に本当に救いだったなあ。
 涼さんの存在が、DREAM TRAILの描く「タカラヅカ」と現実の宝塚とをしっかり繋いでくれているように思えました。

 DREAM TRAILの旅を経て、涼さんが宝塚に帰ってくるのがすごくたのしみ。
 そして、一緒に出ていた研1の娘役さんたちも、この経験を絶対に絶対に忘れず胸に刻んでほしいなあ…と心から思いました。何様のつもりだ私は。

 ****

 なんだかしんみりしちゃったので(勝手に)、あといくつか小ネタをメモっておきたいと思います。

・まなみさんがイケメン!超イケメン!美女なのにイケメン!あのサラサラショート好きすぎる。顔もスタイルもダンスもとにかく美しくて、見とれました。むきだしの腕が白くて本当にきれい。
・みらんアカシまなみ瑠音舞佳ちゃんの4人が、それぞれに素晴らしく華のある踊りをしていて、一緒に踊ってると誰を観ていいのやら分からない。贅沢。
・みほちゃん(舞城さん)もさすがでした。やっぱり優雅なダンスを踊る人だなあ。
・みなみたんが相変わらずかわいくてスタイル抜群で歌声もきれいで、出てくるたびに「みなみーーー!!!」(←ハチマキ巻いてメガホン持って野太い声で応援する男子)状態になった(笑)
・さゆさゆもかわいかった!元気そうでうれしい!!
・ハマコさんとタキさんが現役時代まんまの美声を披露してくれて、ほんと贅沢。幸せ。
・ハマコさんが、その、「20年前くらいにお退めになったんでしたっけ…?」と思ってしまうくらいの体型で(注:20年前まだ入団してません)…いまお幸せなんだろうなあ、と思いました。すみません。ハマコさんダイスキです。
・久々にオサ様のドヤ顔を見れたのがうれしくてうれしくてうれしくて…!!!!!
・いやあ、ほんと変わらないですねあの方。正直『ファニー・ガール』を観たときにはやや迷走ぎみ…?と思ったのですが、相変わらずオサ様はオサ様でした。顔の上げ方ひとつ、目線の使い方ひとつとっても揺るぎなくオサ様。歌声ももちろんオサ様。すばらしすぎる。好きすぎる。
・ていうかトップさんはやはりすごいなー。男役トップスターはツレ様を筆頭に安奈さん・杜さん・マリコ様といてオサ様が最下級生(笑)だったのですが、ひとりひとりの個性と輝きがハンパない。もともとのオーラはもちろん、年月を経て身についた深みのようなものもそれに加わって、なんていうか、「腕についた贅肉すらもいとおしい」と思ってしまう感じなのですよ。本当に。
・あ、オサ様は相変わらずびっくりするほどガリガリでしたが。あんな細いカラダでトップやってたんだなあ…。
・マリコ様も強烈にマリコ様ですごく素敵だった(笑)。ちょうど私がタカラヅカを観はじめた頃に退団されてしまったのでナマの舞台は拝見したことがないのですが、ビデオで見るたびにこの方の大らかな「トップスター」オーラは本当にすばらしいなと思います。ジュビレーション!は遠征先にも必ず持っていくぐらい大好きです(笑)
・娘役トップは初風諄さん・ゆうこ姫・みどり姐さん。キャリアも娘役としてのタイプもまったく違う3人なのに、3人で出てくるとやっぱりものすごく華やかであでやか。かつ、年齢を感じさせないほどにかわいらしい。やっぱり娘役もね、ちゃんと「スター」として育ててこそあの華とスキルが磨かれると思うんですよ…(ぼそぼそ)
・あんなにガツガツ踊るゆうこ姫を久しぶりに観た。イケメンダンサーズ(女子です)を率いて踊るとことか、とにかくカッコイイ!しびれた。
・そういえばゆうこ姫のダンスリサイタルもオギー演出だったのですよね。
・2幕で、特出のズンコさんとコム姫がそれぞれゆうこ姫と踊る場面があったのですが(「Take the "A" Train」かな?)、見た感じ多分そこまで踊り込んでないというか、ゲストの2人は段取りで精一杯な感じに見えたんですが、2人それぞれをきっちり立てつつダンスはさりげなくリードしていくゆうこ姫に、ものすごい娘役魂を見ました。本当すばらしかった!そしてズンコユウコを見れてうれしかった!!
・どこだか忘れたけど、コム姫とゆうこちゃんが白い衣装で踊る場面があって、そこがステキすぎて泣きました。『DANCIN' CRAZY』の「夢十夜」も大好きだったなあ。
・トップさんたちが現役時代の曲を歌うコーナーで、オサ様の場面になったとき歌手の方たちが「比翼の鳥〜、連理の枝〜♪」と歌いだしたので、えええ「あさきゆめみし」ですか!とびっくりしました。梅芸でポカーンとなった思い出…。
・でもそこはみどり姐さんも出ていたので、ああみどりちゃんも大劇場で紫の上やったもんね、オサ様はすだまちゃんだったもんね、思い出の作品だよね…と思ってまあ納得できたのですが。
・次に歌い出したのがなぜか「天の鼓」!!!!!!
・最初の数小節でリアルに吹いた。ちょっとむせた。すみません。
・いや、単体で聴いたらすごく良い曲だとは分かってるんだけど…青年館でポカーンとなった思い出…。
・持ち歌いっぱいあるはずなのに、あえてその2曲をセレクト。そんなオサ様がだいすきです!(笑顔)
・そこへ来るとツレ様はほんとにハズさないなーと。現役時代をぜんぜん存じ上げないはずなのに、「セ・マニフィーク」の前奏が流れ出した瞬間キターーーー!!!って感じで血がたぎるもん。客席も超盛り上がってました。
・2幕はふつうのショー的な感じで終始楽しめたのですが、コム姫の「Joyful!!」、ズンコさんの「明日へのエナジー」はさすがに号泣した…。
・コム姫の顔が、ほんとにあの頃のコム姫でねえ。そこにハマコさんとさゆさゆが絡んで、さらに真波さんが踊りながら登場とか…
・ほんとにもう、言葉にならなかったです。ひたすら泣いた。コム姫の思い出だけじゃなくて、通いまくったミズとなの全ツとか、ゆみこさんサヨナラショーで銀橋を渡ったハマコさんとか、いろんな思い出が交錯して、涙しか出なかった。
・でもすごくすごく幸せな涙でした。奇跡だな、と思いました。あんな場面を見られたことが奇跡。
・ズンコさんの「明日へのエナジー」はもう最初の「何億光年…」とかそのあたりから涙腺崩壊(早!)
・私ズンコさんの声本当に好きです。そして、ズンコさんとかオサ様とかハマコさんとか見てると思うんだけど、本当に歌がうまい人って男役声も女声もまったく関係ないんだなと思う。ただひたすらに、その人の声。「明日へのエナジー」も、すごくナチュラルにズンコさんの声でした。伸びやかであたたかで、人生がいいものだと思えるような歌声。
・そこにタキさんがいるだけでも「シトラス!新生宙組!」て感じなのに、さらに途中でコム姫が参戦!ズンコさんの後ろで踊ってる…!!!
・もうね、こういうとこがオギーですよね。またしても嗚咽と鼻水に苦しむハメになりました(やめて)

 なにせ1回しか観てない上に泣きまくってたので記憶がおぼろげなのですが、とりあえず覚えてるのはこんな感じです!以上!!
posted by 白木蓮 at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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