July 30, 2012

星の王子さまになった操縦士

 案の定フットルースの話をまったく書ききれてませんが、花組『サン=テグジュペリ』『CONGA!!』、観てきました。

 えーっと。

 今回残念ながら初日に遠征できず2日目から参戦し、初日を観た友人からただ一言「大変な珍作」という感想を聞いて席についたのですが

 こwれwwはwww
 聞きしにまさる大変な珍作wwwwww

 つまらないとかそういう次元ではなく、なんていうかもうストーリーという概念を放棄しきっていて、ひとつひとつの場面がまったくつながってなくて、起承転結とかももちろんなくて、人物描写って何それおいしいの?みたいな世界。とにかくストーリーがないのでだんだん自分が何を観ているのかわからなくなってきて、ちゃんと起きてるのに意識が青空と大地のあいだを浮遊するという超常現象が起きた(笑)
 緞帳が終わったときに時計を見てびっくりしました。これ1時間半しか経ってないのか!3時間くらい観たような気がしてた!

 いやあ、すごいなあ谷せんせい。こういう方向にトぶとは予想だにしなかったです(とおい目)
 プロローグもすごかったけど(だって蘭寿さんがガチのキラキラ王子さま!キツネとかお花とかみんな勢ぞろいしてピューロランドばりのメルヘンショー!みわさんの「うぬぼれや」はじめ各星の住人たちが縦1列に並んだときは、EXILEが始まるんじゃないかと本気でドキドキした!)、そのプロローグの衝撃がふっとぶくらいの本編の破壊力。
 サンテックスとコンスエロの愛情の始まりがまったくわからなくて、ふたりがそれぞれ別の人に惹かれた理由もまったくわからなくて、またお互いに戻ってきた理由もまったくわからないってタカラヅカ的に斬新!確かにサンテックスとコンスエロの結婚生活はいばら道だったみたいだけど、舞台なんだからそこをもうちょっと腹オチできるようにしてほしかった…!!
 コンスエロは突然シャーマンになっちゃうし、ギヨメの話もメルモーズの話もすべてが断片的にポンと出てきてポンと終わるのでぜんぜん共感できないし、挟まれる歌がいちいち演歌っぽいし、砂漠で遭難して助かったサンテックスはいきなり「高潔なアラブの戦士となったフランス人」みたいなことになってるし(マ、マトヴさん…?と思って二度見した)、蘭寿さんにも蘭乃さんにも「星の王子さま」が降臨しまくってるし、もうどうしたら(茫然)
 まさかあんなにちょいちょい『星の王子さま』をやるとは思いませんでした。王子さま=サンテックス、コンスエロ=花、のイメージはベースにあるとしてもあくまでも舞台はサンテグジュペリの生涯、という認識を勝手に抱いていたら、らんちゃんが王子さまになったり蘭寿さんが操縦士になったり蘭寿さんが王子さまになったりらんちゃんが操縦士になったりするものだからびっくりしすぎて思考停止したww何事wwww
 (まだご覧になっていない方には私が何を言っているのか分からないと思いますが、実話です)
 視点が入れ替わりすぎるし、あそこまで台詞をガンガン言われちゃうとちょっと…。大切なものが目に見えまくってるよ!もうちょっと言外に秘めておこうよ!><


 でもあとからプログラムを見たら、そもそも谷せんせいのやりたかったことと私が『サン=テグジュペリ』という作品に期待していたものがかなり食い違ってたんだな…とは思いました。
 私はこの作品が『サン=テグジュペリの生涯』だと思っていたのですが、違ったんですね^^谷せんせいは研17の蘭寿とむさん主演で『星の王子さま』をやりたかったんですね^^^^副題の「星の王子さまになった操縦士」は隠喩じゃなかったんですね^^^^^^
 プログラムのコメントで、あんなあっさりと「登場人物が突然『星の王子さま』になるのは当然のことなんだヨ!」みたいに言われたらもうどうしようもないです。すみませんでしたって言うしかないです(笑)

 いや、『星の王子さま』を投影するならするで、もうちょっとやり方があっただろ!とも思うのですが。
 あくまでもコンスエロ=花のイメージはキープして、コンスエロの美しさとワガママぶりと魅力をまず見せて、それで二人の心が離れて(これが四角関係のダンスらへんね)、そこからギヨメさんとの対話にもっていって「もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる」からの「きみのバラが、この世に一輪だけのバラってことがわかるから」「きみは、きみのバラに責任がある」あたりでクライマックスを作って、サンテックスがコンスエロへの愛に立ち返る…みたいにしたほうが(ベタだけど)綺麗にまとまったんじゃないかなあ。今のだと本当に本当にわけわかんないです。蘭寿さんが王子さまヴォイスでキャッキャウフフ笑うところとか、どうしていいかわからなくて客席でモジモジします(笑)。いや、かわいいけど!とんだ羞恥プレイをさせられてる蘭寿さんがかわいいけど!><

 …えー、そんなこんなで言いたいことはてんこもりの『サン=テグジュペリ』あらため『星の王子さま』ですが(勝手に改題しないように)
 いわゆる「不快な作品」ではないので、そういう意味ではリピートできるかなあと思います。『仮面の男』ムラ版とかはほんとにキツかった…。最近だと『長い春の果てに』とか『双曲線上のカルテ』とかも個人的にはつらい作品なのですが(ごめん石田せんせい)、星の王子さまに関してはそういう感じはないので、逆に慣れてしまえば楽かも。イメージだけを追った散文調作品だと思えば乗り切れるかも(笑)。でも蘭寿さんの笑い声だけは慣れずにいつまでもモジモジしちゃう気がするけど(笑)

 ****

 というわけで、芝居で消耗しきってからの『CONGA!!』初見。
 ひゃーー楽しかったーーーー!!!!ありがとう大介!!!!!

 稽古場レポートでの「夏に食べるカレー」という言葉どおり、ひたすら熱いです。ノリノリです。ムンムンしてます。なんか、私の思いこみなのか、組子のみんなの「さあこれからコンガだよ!芝居のことは忘れて楽しんでね!!」感がひどい(笑)
 まだ味がなじんでないカレーというか、花組らしくノリが先行して常にトップテンションなので抜きどころがないというか、カレーそしてカレー!ナンはどこいった!みたいなところもあるのですが(笑)もうとにかく楽しかったです。赤味の少ない黒塗りがみんなかっこいい!蘭寿さんもらんちゃんも黒塗り似合う!あと今回お芝居で金髪の人が多いので、黒塗り+金髪の人たちが何かイイ!みつるきゅんとかだいもんとか!
 とりあえず、黒塗りで目元青くて衣装ギラギラの蘭寿さんが常に何かを滴らせながら腰振りながらオラオラしているのを観られただけで私は幸せです。プロローグのあとの銀橋クンバンチェロ、あの大きな劇場をひとりで自由に楽しそうに操っている姿が何だか本当に幸せで、うれしくて、ちょっと涙出そうになってしまった(病気)

 どの場面も好きですが今のところ中詰めが大好きです!蘭寿さんがイケライオンすぎてときめく!あの、ちょっと獣っぽい素振りがすごく好き。あと個人的に、「中詰めの最初に絶対グロリア・エステファンの『CONGA』が来るはず!」って思ってたらドンピシャでちょっとうれしかったという(笑)。…と予想できてしまうくらいのオーソドックスさも、大介ラテンショーのいいところだと思ってます^^

 蘭蘭のダンスもよかったし、壮さんもみわさんもかっこよかったし、何よりやっぱりいろんな人がいろんなところで前のめりかつ楽しそうに活躍していたのがうれしい。退団者演出も素敵でした。
 まだぜんぜん観きれていないので、細かいツボはまた追々アップしたいと思います!CONGA!
posted by 白木蓮 at 10:45 | 花組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

July 24, 2012

everybody cut footloose!

 雪組梅田芸術劇場公演『フットルース』。
 初日と、楽前日の昼夜公演を観ました。

 もともとフットルースというミュージカルが好きすぎたせいで初日は脳内イメージをすり合わせるのにいっぱいいっぱいになってしまったところがあり、おまけに客席にはブロードウェイからのお客様が何人かいらしていたので出演者の皆さんも多分いっぱいいっぱいで(笑)、なぜかこっちまで手に汗握って緊張しちゃって、平静に観られなかったりもしたのですがしかし楽しかった…!!!
 (センテンス長い)

 雪組は芝居の組だなあ、とあらためて思いました。
 ブロードウェイ版と比べると、2幕後半のナンバーが3曲ほどまるっとカットされていて、なので初日はクライマックスに行くまでがすごくサラッと感じられて「あれ?」ってなったんですよね。あ、もうここまで来ちゃったんだ、っていう。
 でもそこからのキムまつの芝居が凄くて…!!!
 構成的な薄さをまったく感じなかったし、正直ミュージカルとしての意義を見失いそうになるくらい(笑)ふたりの台詞の応酬だけですべてを持っていかれた。涙が止まらなかった。
 キムまつ、まつみみ、まつきゃび、と続くお芝居の流れが本当に素晴らしかったです。キムミミもヒメキムもよかった…。
 昔坂本くん主演版を観たときはおそらく若かったせいもあってそこまで感じ取れなかったんだけど、いまあらためて観たら、まさしく「これは、家族の話なのです!」(byカルロス殿下)でした。キムラさんがまっつさんに「あなたも僕もひとりぼっちだ」みたいなことを投げかける場面がものすごいデジャヴュだったのですが(笑)、ドンカルロスとはまた違う、父と息子の物語。息子を失った父と、父を失った息子の物語。
 ドンカルロスは実の父子だったから失ったものを取り返せた(「だがこの恥は、取り返しのつくものだ…!」ってパパも爽やかに言ってたし)(いちいち台詞を思い出すのやめて)けれど、フットルースのふたりは、ふたりともそれぞれが失った存在を取り戻すことはできない。
 その大きな喪失を抱えながら、それでも「新しい人生を祝いたい」と言うレンの強さ。喪失と向き合えずにいるショウ牧師の弱さ。ふたりの心のぶつかり合いが本当に鮮やかで、リアルで、胸をえぐられるようで苦しかった。いま思い出してもちょっと泣きそうになる。
 こういう芝居をいまの雪組で、キムまつで観られたことが心から幸せだなあとあらためて思いました。この同期ふたりが同じ組になってくれて、こういう形で共演してくれてよかったなあ。
 (と書きながら、なぜかキムラさんPBのキムまつツーショ@音校時代が脳裏をよぎったなう)(かわいいよねあれ)

 ちなみに後半でカットされていたのは「Mama Says」、「Dancing is Not a Crime」、「I Confess」の3曲。
 「Mama Says」はウィラード・ジーター・ヴィックルの、コメディタッチというか箸休め的な(笑)曲なので、上演時間とかも考えるとカットは仕方ないかなあ…。
 「Dancing is Not a Crime」は、町議会でのレンの演説。「人類の夜明けから我々は踊ってきました」とか聖書からの引用のくだりが全部、レンとウィラードたちのヒップホップ調のナンバーになってるんですよね。
 個人的にカッコよくて大好きな場面だったのでとても悲しかったのですが、初日の終演後友人にそのことを言ったら「タカラヅカにヒップホップは鬼門だからそれはいいや…」と言われて、まあそうか、と納得しました(笑)
 「I Confess」はレンと話したあとのショウ牧師のソロで、これがなくなったのはいちばん残念だった…けど、あれを入れるとショウ牧師の物語になってしまうので、タカラヅカとしては入れなくて正解だったのかもしれない。お母さん2人のデュエットにアリエルを加えたみたいに、ショウとレンのふたりの歌にアレンジしてもよかったんじゃないかなあとは思ったけど。ラストのお芝居でBGMとしては入ってたから、著作権がダメだったってことはないと思うのですが…(でもボーカル入れたらダメなパターンとかもあるのか)。
 これがなかったことでかなり拍子抜けはしたものの、しかし、その消化不良を忘れさせてくれるくらいキムまつのお芝居は素晴らしかったです。

 で
 2週間経って観たら、私の心構えができていたこともあるとは思うけれど、それぞれの芝居がさらに深まっていてまた泣けた…。
 特にきゃびい様の進化がすごかった!初日はまだ舞台空間を掴みきれていなくて少し弱々しい印象を受けたのですが、2回目はヴァイの優しさと忍耐の中にある強さや包容力がはっきりと感じられて、舞台の上ですごく大きな存在になっていました。
 まつきゃびの夫婦ぶりも格段に進化していて、ふたりの醸し出す空気感が本当に本当によかった!きゃびいの「あなたの心の中に私はもう住んでいないのかしら♪」でウルッとなり、ラストのまっつさんの「君の心の中に僕はまだ住んでいるだろうか♪」では、もう…かっこよすぎて優しすぎてエエ声すぎて泣くしかない!!きゃびい様うらやましい!!(そこかよ)
 まつきゃびにしても、キムラさんにしてもミミちゃんにしてもヒメ様にしても、2回目に観ると1幕からそれぞれの抱えている傷や歪みがひしひしと伝わってきて、胸をしめつけられる瞬間が何度もあった。
 その痛みを乗り越えてたどりつくハッピーエンドがほんとに心底ハッピーで楽しくて、フィナーレがまたかっこよくて楽しくて、キムミミのデュエットダンスがあまりに美しすぎて泣いて…
 幸せな時間でした。

 ****

 観劇前は「いくら高校生モノだからって制服を着せるとか小柳先生ェ…」と思っていたのですが、実際に観たらそれほど抵抗なかったです。というか、やっぱりタカラヅカでああいう構造の話をやろうとすると年齢層の区別がつきにくいので(笑)ある程度ビジュアルで差別化することは必要なのかもな、と思いました。最後のダンスパーティなんて大人と子供の区別つかなくなっちゃうもんね。まつミミが普通にイケカップルだもんね(萌えた)
 キムラさんの制服姿もめちゃくちゃかっこよかったし、何より咲奈さま&レオ様の制服着崩しコスに悶えまくったので私は満足です!そんな感想!

 初日に観たときはヒーローの手拍子とかダンスレッスンで立つとかの習慣がまだ根づいていなかったので、2週間後に観たときはちょっと戸惑った(笑)
 個人的な感想ですが、フィナーレはともかくお芝居の最中では別に立たなくてもいいのでは…と思いました。本編中に2回も立つターンがあると結構ワタワタしちゃうし、目の前に背の高い人がいたら見えづらいだろうし、立ちたくなくても前の人が立ったら立たざるを得ないし。バウならともかく梅芸だと1階と2・3階で温度差も出るし…。
 ちなみに2階最後列のドセンに座ったとき、立とうとしたら明らかに私の頭がピンスポの軌道を邪魔してしまっていたので申し訳なさすぎて座りました(笑)
 ということで、このあたりのオペレーションは小柳せんせいに再考いただけるとうれしい!です!(もう梅田終わっちゃったよ!)
 あとあそこまで劇中にレッスンを組み込むなら、使い捨てでいいからサイリウムか何か配ってほしかったなあ>劇団。私は初日開演前にはりきって購入したけど、そこまでのテンションじゃない人たちがあの場面で取り残されちゃうのは悲しい。

 「HERO」の手拍子は、あれが入るといきなりカラオケっぽいムードになるのであまり好きじゃなかったのですが(すみません)(しかし雪組ってこの種の手拍子が入りやすい気がする…世界の王とか…)、娘役だけのああいうエネルギッシュなナンバーってなかなかないし、手拍子を受けてノリノリでハジケてるみみちゃんたちがかわいすぎたから結果オーライだと思ってます!というかあの曲の演出自体に小柳せんせいのドリームが詰まりすぎててもはや手拍子云々の話じゃない^^^^

 そんなこんなでいったんアップ。
 各キャラの細かいツボなどはまた次項で!
 今週末にはサンテグジュペリも始まっちゃいますね。その前に上げられるといいなあ。。
posted by 白木蓮 at 18:50 | 雪組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

July 06, 2012

ロミオとジュリエット

 出張で関西に行く機会があり、月組『ロミオとジュリエット』、大劇場で役替わりダブルしてきました。楽しかったー!
 全体的に若くてフレッシュなのはもちろんですが、今回のロミジュリで感じたのは、すごくナチュラルな『ロミオとジュリエット』だなあ…ということ。なんていうか、等身大の「ヴェローナの子どもたち」だった。
 娘役になって間もないちゃぴちゃんのジュリエットは、やっぱりまだ「娘役」ではなくてあくまでも中の人そのまんまの「少女」で、対するまさきさんもみりお様もあんまりTHE男役!な感じではなく自然体の少年で、だからいわゆるタカラヅカっぽさがあんまりなくて、びっくりするくらい「生身」な感じがしました。役替わりの件もあいまって、なんかすごく新鮮だった。
 でも、べつに現実的だったり生々しすぎたり、はたまた外部っぽかったりするわけではないんですよね。すごく夢々しいの。むしろ夢しかないの。キラキラなの(笑)。
 観ながらずっと「何かこれに似たものを知ってる…」と考えてて、ハタと思い当たりました。ディズニーだ!ディズニーアニメっぽい!
 前述のとおりちゃぴちゃんが「タカラヅカの娘役」っぽくなく、少年性も備えた生身の少女で、でも生身ではありえないくらい可愛くて、そのバランスがすごくディズニーアニメっぽかったのです。『白雪姫』とか『眠れる森の美女』とかのクラシカルディズニーではなくて、『リトル・マーメイド』以降の現代のディズニーヒロインたち。アリエルとか、ベルとか、ジャスミンとかエスメラルダとか、私が個人的に大好きな『ターザン』のジェーンとか(笑)
 彼女たちに共通する美しさ、勇敢さ、そしてしなやかな強さをちゃぴジュリエットも持っていて、それがすごく新鮮だし魅力的だなあと思いました。
 みみジュリエットの持つ強さも私はとても好きなのですが、みみちゃんの強さがあくまでも内に秘めた芯の強さだとすると、ちゃぴジュリエットの強さはもっと直載的な強さ。剣を抜いてマントヴァまでロミオを助けにいきそうな強さ(笑)。いわゆる娘役芸という意味では未熟な部分も多いと思うけれど、いまの彼女がもつ若木のようなまっすぐな強さも何物にも代えがたい魅力だし、ジュリエットでそれを生かすことができてよかったなと思います。
 で、そう思ってみると周りもすごくディズニーで。
 ふたりのロミオの完璧な王子様ぶりといい、ふたりのティボルトの美しさといい、マギーみやるりのマスコット感といい、徹底的に戯画化された乳母といい。すー様のキャピュレット夫人なんて、もう完全に画風が『ヘラクレス』あたりだよ!アニメから抜け出してきたとしか思えないよ!(笑)

 役替わりについては1回ずつしか観ていないのでまだあまり咀嚼できていないのですが、キャラ的にはまさきティボルト、みりおロミオのほうがしっくり来るかなあ…。主役がどう、とかとは別問題で、単に持ち味として。
 ていうかまさきさんのティボルトが好みすぎて!!!
 ショーヴランのときとほぼおなじ感想になってしまう自分のボキャ貧ぶりがとても残念なのですが、とにかく、ああいうまさきさんが大好物です。歪んだ愛情とコンプレックスと執着心をむきだしにした、いさぎよく気持ち悪い粘着キャラ(←絶賛)。ナイフを見つめる表情があまりにも陶酔してて、ベロッと舌を出して刃を舐めないのが本当に不思議でした。よっ、タカラヅカが誇る蛇系男役!(←絶賛)
 みりおティボルトも中二感満載で病んでてよかったのですが、わりとふつうにZ-BOYだったので(笑)ちょっと新鮮味が薄かったかも。いや、そもそもZ-BOYがティボルトすぎたのですが!なんか赤いし中二だしナイフがお友達だし!
 公演を重ねていくうちに、Z-BOYプラスアルファの部分がもっと見えてくるといいなあ。キャピュレット夫人との関係性がもっとやらしい感じになってくるとみりおティボルトの魅力が増すんじゃないかと思うのですが(ショーヴランでロベスピエールとの対比がエロすぎたことを考えても!)、今回のすー様は前述のとおりアニメ系悪役の造形なので、ちょっと難しいかなあ…。

 ロミオはふたりとも違和感なく見られたのですが、まさきロミオは全方位に放たれるキラキラぶりに目を奪われ、みりおロミオはそれこそアニメから抜け出してきたとしか思えないビジュアルをひたすら眺めているうちに公演が終わってしまったので、キャラについては東京でまた観て考えたいと思います。
 とりあえずどっちのロミオも、ヴェローナ追放が決まったあと神父さまに抱きついて憔悴している姿が素晴らしくてハアハアした(えっ)。何あの「身も心も預けきってる」感じは!かわいすぎる!えまさんの神父様がまた包容力倍増で素晴らしかったです。お芝居も歌唱も、星版よりさらにさらにパワーアップされた感じ。

 今回いちばん意外だったのは、美穂さん。まさかああいう役作りで来るとは…!!
 『ロミオとジュリエット』の乳母の存在というのはいろいろな要素を持っていて、その中のどこを強調するかで演出意図が大きく変わってくる面白い役だと思うのですが、美穂さんの乳母は「道化」の役割がすごく強いように感じました。れみれみもコマつんもひとつのエッセンスとしてそれを表現してはいたんだけど、美穂さんの造形はそれをもっともっと突き詰めた形というか。
 あらゆる意味で、美穂さんだからこそできる役作りだなあ…と思いました。
 れみれみコマつんは、美穂さんのような役作りはしなかったし、たぶんできなかったんじゃないかと思う。ふたりはやっぱり「スター」だから。あと、美穂さんの徹底した戯画化は、あの圧倒的な歌唱力に裏打ちされたものだと思うから。あの超難曲ですら道化の余裕を感じさせる美穂おねえさま…すごい……!!!
 逆にいうと、美穂さんがれみれみコマつんのように「庇護者」「慈愛」の面を強く出そうとしても、おそらくできなかったのではないかと思います。いや、形としてはきれいにハマったと思うし、余裕でこなせると思うし、実際観る前に私が想像してたのもそういう乳母なのですが。
 でもれみれみにしても、コマつんにしても、「組子ならでは」の乳母だったんだなあ。というのを今回観てすごく感じました。個人的感傷も大いにあるとは思うのですが、れみれみはねね様との歴史とか、コマつんはずっと雪組男役としてやってきた中での確固たる立ち位置とか、そういうバックグラウンドあっての乳母だったし、星も雪もヅカファンのそういう先入観や思い入れをうまく利用してみせた(っていうと言葉が悪いですが)演出だったんだなあと。
 組子ではなく専科という立場から出演されている美穂さん、そしてある意味周りから浮くぐらい(笑)圧倒的な実力を持つ美穂さんの場合は、今回のような振り切った見せ方のほうが効果的だとイケコが判断したんじゃないかと思います。ただの推測だけど。
 それにしても、あんなにはっちゃけた美穂さんをはじめて観た気がする!本当新鮮で楽しかったなー。
 観ながらなんとなく「誰かに似てる気がする…」と思ってて、1幕後半で「わかった!メイクと表情が若干鳥居みゆきだ!」と気づいてしまい、しかも美穂さんが友近に似ていらっしゃるのはヅカヲタの共通認識ゆえ鳥居みゆきの件に気づいてからはもう「友近が鳥居みゆきの物真似をしている」ようにしか見えなくてちょっと平静な気持ちを保てなかったのですが次回はもう少しフラットな気持ちで観たいと思います!ていうか天下の美穂おねえさまになんてことを!本当に申し訳ありません…(土下座)

 演出の変更はいろいろあったけど、ごく個人的に、「きれいはきたない」のがおりあゆみポジ(キューピッド乳母にくっつけられる二人)(どなたがやっていたのか分からず…すみません)がすぐ離れてる!イチャイチャしてない!っていうのが興味深かったです。
 あと、雪版で微妙に不評だったロミオの衣装が改善されたかと思いきや改悪になってるところもあってプラマイゼロ!とか。マントヴァのマントがモフモフしてない!と安堵しかけたらなぜか裏地がテカテカ光ってたり。最後の白い衣装の柄が異様にガチャガチャしてたり。どうしてそうなった。
 歌のメロディライン、というかメロディに対する歌詞のはめ方もけっこう変わってますね。楊先生のこだわりなのかしら。
 それほど気になったところはなかったのですが、最後の霊廟でジュリエットが歌う「ロミオ、ロミオ♪」のくだりで装飾音符がついてなかったのはけっこう引っかかりました。あの「ロミー〜〜オ♪」っていう音の揺らぎが大好きなのに!なぜ!
 東京では星雪版と同じメロディに戻るといいなあ。

 フィナーレは色々とぶっ飛んでいて楽しかったです。\きれいはきたない!きたないはきれい!YO!YO!/的な^^イケコ^^^^
 みりお様のヒップホップの破壊力はんぱない(世界をひれ伏させる的な意味で)。そしてとしくん・まんちゃんがダウン系のダンスやたら上手くてカッコいい(笑)
 でもデュエットダンスはフレッシュでかわいくて素敵だったし、トップコンビお披露目っていいなあとしみじみ思いました。デュエットが始まる前、男役みんなが大階段のちゃぴちゃんをお出迎えしているように見える演出もすごくよかった!
 あと最近あらためて愛風ゆめちゃんのかわいさに開眼しているのですが(遅い)、フィナーレのアシンメトリーなボブっぽい髪型が超絶かわいくてメロメロになりました。本編のモンタギューの女もすっごいかわいくて終始釘付けだった…!
 最後のパレードも若さ溢れる感じで楽しかったです。みんながハート形のウチワ的なものを持って颯爽と降りてくるのもよかったし、銀橋にでるときの音楽が「世界の王」なのも若々しくてよかったし、まさちゃぴみりがノリノリしてるのもよかったし、なにより大階段にいるダルマの子たちまでハート形になってるのが!かわいすぎる!ハッピーすぎる!
 新生月組の出発おめでとう、と、素直に思える舞台でした。東京でまた観るのが楽しみです!
posted by 白木蓮 at 23:58 | 月組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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